孫子の兵法を知っている亭主は、平成の亭主関白と呼ばれている。
全国亭主関白協会とは名ばかりで、随分弱っちい団体のように誤解されているむきがある。会員の名誉の為にも言っておかねばならない。単に弱いだけではなく、本当に弱いのだ(笑)。 難しい話で申し訳ないが、「兵法三十六計」をご存知であろうか。その戦略・戦術論は、こと軍事に限らず、夫婦間のトラブルにも大いに応用することが可能であることを天野だけは知っている。特に第三十六計の「走為上(そういじょう)」が凄い教えなのだ。日本の慣用句にもなっている「三十六計逃げるに如かず」は、ここからきたもの。いわゆる戦いを避けて逃げるのが最善策とする考え方である。原文に付いている解説には、「全兵力を退却して敵の攻撃を避けよ」とある。つまり、その本質は逃げることではなく、戦力の温存にあるわけだ。まだ若い頃、このことを知らずに真正面から戦っていた。どんなに戦いを挑んでも完膚無きまでに破れ、「勘弁してください、もう二度とこんな真似は致しません」と退却を余儀なくされていたものだ。兵法はこうも言っている。「正義だから勝つわけではない。正義は勝たねばならない」と。夫婦喧嘩の原因をつらつら思んばかるに、愛妻の誤解から発生したものも数々あった。が、それは誤解だと強弁しても虚しいことを理解した。愛妻の不満と暴言は、そのことだけでなく、ここを先途に、それ迄に積み重なってきた小さな不満を爆発させていることがわかったからである。
このことから、後に有名な、「カラスは白作戦」が生まれたのだ。愛妻が、「カラスは白よネ」と言った場合でも、「そうです。最近のカラスは白ばっかりです」が正解というものだ。白いカラスなど見たこともないが、全亭協七段クラスになれば、朝早く起きて、カラスを捕まえペンキで白に塗っておくという強者もいるのだ。全亭協が目指しているのは、平成の亭主関白であり、夫婦円満、家庭円満の新!方程式である。昭和の亭主関白が、妻から突然の三行半を突きつけられ敗れ去っていく。熟年離婚を余儀なくされた亭主の寿命は、平均寿命より9年短いことも記しておこう。トホホである。
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『全国亭主関白協会・回覧板』(ID:0000176924)
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